猫の恩返し

「女子高生のハルが猫を助けたばっかりに、猫の国に連れて行かれるファンタジーなのかどうなのか。ネズミや猫じゃらし、マタタビは猫にとっては、うれしい贈り物でも、人間にとってはありがた迷惑。キウイフルーツの皮はマタタビの成分と同じらしいが、キウイフルーツで興奮はしない。「耳をすませば」で、月島雫によって命が吹き込まれたバロン。猫だけど、カッコいい。猫の国のものを食べて猫になってしまったハルとのダンスシーンは、好きなシーンかもしれない。バロンの「自分の時間を生きるんだ」その一言にハッとさせられる。ハルの日常生活は何となくゆるい。怠惰というわけではないけど、一生懸命ではない。多分、他人から「右に行け」と言われたら、何も考えないないで右に行くゆるさだろう。そんなハルでも、さすがに猫のお嫁さんは嫌だと、焦る。私も好きでもない人と結婚させられそうになったら、必死で抵抗するだろう。そこからハルの自分の時間を生きるための冒険が始まる。自分が助けた二匹の猫が結婚する。こんなめでたいことはない。猫を助けたことは無駄ではなく、ちゃんと意味があることに気付いたハルは、自分の意思で人間に戻って行く。バロンたちに助けられ、無事元の日常に戻った。人生に無駄なことはない。自分の時間を有意義に過ごすようになったハル。もしかしたら、それが猫の恩返しなのかもにゃん。